災害支援ナースになるための条件として、5年以上の実務経験が求められていることからわかるように、災害支援ナースには豊富な経験値と、その経験によって培われたスキルが求められます。ここでは、そのスキルの代表的なものを紹介していきます。
1つ目は強靭な体力と精神力です。被災地の被災レベルによっては、命の危機に瀕している人が大勢待機していることもあります。そうした人を1人でも多く救うためには、機敏に動き回れる体力が必要です。特に災害直後に派遣された場合は、長時間動きっぱなしというケースもあり得ます。そのため、体力に自信がなければ、結果的に足手まといになってしまいます。
また、被災地では多くの死と向き合う可能性もあります。そのためどんな状況に陥っても冷静さを保ち、折れない精神力を持つ必要があります。本当につらい思いをしている被災者をケアする立場上、強い精神力は必須のスキルといえるでしょう。
2つ目は、高いコミュニケーションスキルです。被災地に派遣される災害支援ナースは、自分が慣れた環境ではなく、全く知らない土地で仕事に従事します。対応する被災者はもちろん、共に働く多くのスタッフが初対面の状態となります。当然、そんな状況の中でもすんなりと馴染み、円滑にコミュニケーションが取れるスキルが必要となります。
3つ目は的確な判断力です。被災地はイレギュラーな事態が発生しやすい現場でもあります。そのため、それぞれが状況に合わせて、臨機応変に行動することが求められます。特に、普段からマニュアルに沿った行動に慣れている人は、なかなか自己判断で動くのは難しいもの。もし災害支援ナースに興味があるなら、自身に柔軟性があるか、判断力があるかどうかをしっかり考えてみた方が良いでしょう。
災害支援ナースになるには、これだけのスキルを発揮する必要があり、誰もが対応できる仕事とはいえません。それでも、災害医療をサポートしたいという志を持ち、その道を極めたいのなら、先を見据えて災害医療に沿ったキャリアを築くことが大切です。それに際して、どんなスキルが必要なのか、どんな経験を積むべきなのかを調べておきましょう。災害医療に関わる看護師の情報をまとめたサイトがあったので、ぜひそちらも参照してみてください→災害医療で役立つ看護師の心得